小倉教室　教室長ブログ　vol.1【中学入試についての考察　その1】【教室長紹介＆ブログ】

ここでは、中学入試における意義の、一つの側面をお話しさせて頂きたいと思います。

全ての事柄には必ず、メリット・デメリットの両方が存在しますが、中学受験においては、総合的に見る限り、やはり、メリットの方が大きいと思います。あるいは、そうであるべきだと思っております。メリットの全てを取り上げようとするのは難しいですが、まず1つ挙げるとするならば、何といっても『処理能力・問題解決能力の成長』であると、私は考えます。

学生の頃、私は『一次関数、因数分解、相似...今習ってる勉強なんて、大人になったら使わない...』という声を、良く耳にしました。果たしてそうでしょうか？当時の私は、答えに窮しましたが、今ならはっきり答えられます。世の中は、類題であふれている、道を切り拓くのは、応用力だ...と。つまり、学生の頃に勉強した内容は、そのままの形で世の中に存在するとは限りませんが、日々の暮らしの中で、少なからず使われているはずです。知識や公式は、分かりやすく目に見える形でなくとも、私達を取り囲んでいます。

ここで、『生きる』ということについて、考えてみます。これも又、到底一口で語れる話ではありませんが、少なくとも要素の1つとして、『問題を解決する(し続けていく)』ことが存在するのは、明らかです。問題を解決しようとする際は、自らが今まで得た知識の引き出しを次々と開け、当てはめ、答えを導き出そうとします。これは、大人になって、社会に出てから直面する問題においても、学生時、机の上で出くわす問題においても、同じですよね。

では、そのような能力を伸ばすのはいつの時期がふさわしいのでしょうか？私は、『早ければ早いほど』であると考えます。そう考える理由は2つ程ありまして...

1つは『邪魔になる自我の部分が邪魔をする』という事です。人は、10年もすれば自我...自分らしさ、プライド、しがらみを持ちます。その全てが無用であるとは言えませんが、もし、それらが邪魔をして、最短・最速・ベストの問題解決の手法がスムーズに受け入れられないことが起き得るのなら...修得の機会は、自我が凝り固まってしまう前であるべきだ、と考えます。

2つ目は、『義務の習慣づけ』をスムーズに行うためです。全ての義務は、継続して行うのが当たり前...と、習慣づけることが重要です。人間にとって勉強は義務である...という考えが正しいことであるとするなら、勉強は、これから先やり続けないといけないものなんだ...という感覚やペースをつかむことは、早いに越したことはありません。子供の頃は、そんなこと考えさせず、自由にのびのび...という声も聞きますが、自由と義務は表裏一体...共存が、然るべき姿であるはずです。

以上のことから、早い段階からのリアルな学習姿勢の育成は、非常に有意義であると考えられますし、又、その足掛かりとして中学受験を選択することは、非常に有効であると言えます。
では、高い志を持ち、中学受験に向けて動き出しさえすれば良いのかと言えば...勿論そうではありません。中学受験の道を選択したことによって生まれる事態も存在し、それらが上手く解決できなかった場合...中学受験のデメリット、と表現されるケースもあります。これらについては次回、『その2』でお話しできればと思っております。