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塾長ブログ vol.19【数学の勉強方法 ~数学が苦手な人へ~】

2016年10月10日更新

こんにちは。塾長の粟津です。

今回は、「数学の勉強方法」についてお話したいと思います。


実は私、もともとは進学塾の数学科講師としてこの世界にデビューしましたので、数学の指導歴が最も長く、数学の授業を行った時間は(正確に数えていたわけではありませんが、)少なくとも1万時間は軽く越えています。ですから「数学の勉強方法」については、紹介したいことがたくさんあるのですが、長くなり過ぎないように今日は数学が苦手な中学生に照準を合わせて書くことにします。


結論から申し上げますと、中学校の数学のテストで80点を取るのに必要なことは、


Ⅰ:計算力

Ⅱ:解き方の暗記


この2つです。

(数学が得意な人には当てはまりませんので、得意な人向けのお話は機会を改めてします。)


まずは、Ⅰの計算力についてですが、

「計算力がある状態」というのは、「計算ができる状態」を指しているのではないということを理解して頂く必要があります。

つまり、「計算の仕方を知っているかどうか」を求められているのではないということです。


「計算力がある」というのは、「素早く、正確に計算ができる」という意味です。

「スピードと精度」の両方を満たして初めて「計算力がある」と言えるのです。


通常の四則計算(加減乗除の計算)、小数の計算、分数の計算が対象です。

数学のテストでは、計算スピードが速ければ速いほど有利です。何度も解き直しができれば、その分ミスが減りますから。

計算力を鍛える方法はたくさんありますし、日常生活のあらゆる場面においてその機会があります。私が子どもの頃に実践していたこと、今でもやっていること、塾生たちに勧めていることをいくつかご紹介します。


■「100マス計算」で「1桁+1桁」の計算を極限まで速くできるように鍛える。

これは、小学生でも大人に勝てるようになるのが面白いところです。ゲーム感覚で友達や家族と競ってみるのも良いでしょう。


■ドライブ中、前を走っている車のナンバープレートの数字を使って、答えが「10」になる計算式を作る速さを家族で競う。


例:ナンバーが「5296」なら「(5+9+6)÷2」など。

正解が1つだけではない可能性があるのもこのゲームの面白いところです。


■買い物をする時に、合計額や消費税の計算、割引商品の支払額を暗算で計算し、精算時に答え合わせをする。


例:税込み350円のアイスが2割引きだったから、支払額は?(280円)

例:税込み121円/ℓのガソリンを30ℓ給油した時の合計はいくら?(3,630円)


■車に乗っているときに「速さ」の計算をして数値感覚に慣れる。

(「ハジキ」の計算を杓子定規にするのではなく、意味を考えて素早く算出できるようになるまでやる。)


例:信号に引っかからずに時速60㎞で6分間走った時の走行距離は?
(6分は1/10時間だから、走行距離は6㎞!)

→時速60㎞の場合、「何分走ったか」と、「何㎞走ったか」は、数字が同じになるからラッキー問題だと小学生のうちに気付きたいところです。


例:歩いて30分の距離って大体どのぐらい?

→大人がスタスタ歩く速さが、およそ時速6㎞ぐらいだと知っていれば、その半分の3㎞程度だと推測できます。

他にも、自転車でタラタラ走っている速さは時速15㎞ぐらい、平たんな道を立ちこぎで進めばおよそ時速25㎞程度、などという風に何かに付け数字の「相場(常識的な数字感覚)」を掴んでおくことは、とても大切です。算数や数学の自分の回答が、非常識な数字になってしまった時に、すぐにおかしいと気付けるかどうかの違いとなって成果が表れます。


挙げると切りがないので、このぐらいにしておきますが、日常生活には数字が溢れていますから、計算力のトレーニング材料は無限にあると言っても過言ではありません。

ボーっと過ごすよりは、有意義な時間になることは間違いないと思います。


次に、Ⅱ「解き方の暗記」についてです。


本来、数学という教科は、「論理的に物事を考える力」を養う教科であり、「原理原則を理解できれば、あらゆる具体例について正解を導けるようになる」というのが面白いところです。ただし、これは数学が得意な人にとってのお話です。数学が苦手な人にとっては、そもそも「原理原則」の部分を理解して、各々の事例(数学の問題)に結び付けて考えるということができませんから、それを面白いだろうと言われても少しも面白くないのです。

数学の得意な大人たちが、この面白さを子供たちにも感じてもらおうとして返って拗れてしまう(数学嫌いにさせてしまう)というのはよくあることです。


そこで、「数学は苦手だけど、受験のためにある程度の得点をどうしても取れるようにならないといけない」という時に成果を得る方法こそが、「解き方の暗記」なのです。数学を「考える科目」ではなく、「暗記科目」として捉えるということです。


数学を「暗記科目」として割り切ってしまえば、次のような流れで勉強できるようになります。


① 問題文を読む

② 分からない時は、すぐに解答解説を読む

③ それをノートに写しながら覚える

④ 解答解説を閉じて、もう一度同じ問題を今度は自力で解く


お気付きの通り、英単語を覚えたり、地名や人名を覚えたりするのと同じ流れです。
この勉強方法のメリットは、


■「考える」という無駄な時間を大幅に減らせる。


■特に定期テストでは成果を出しやすいので、数学嫌いを少しは解消できる。


この2点です。


解き方を覚えてしまう勉強方法は、本当の意味では「数学の勉強」として正しくないのかもしれませんが、数学が本当に苦手な子供たちにとっては、「この方法しかない」と思えるほどに救いとなる方法です。ぜひ、ご家庭でもお試し頂けれと思います。


ということで、今日は数学が苦手な人に向けて、「計算力」「解き方の暗記」という2つの観点から、勉強方法をご紹介させて頂きました。得点向上の一助となれば幸いです。


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株式会社OURS 代表取締役 粟津 賢一
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粟津 賢一 (あわづけんいち)

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