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塾長ブログ vol.41【子どもの言う〝先生の説明が分かりにくい〟って本当?】

2019年10月22日更新

こんにちは。塾長の粟津です。

ずいぶん久し振りのブログ更新となってしまいました。

さて今日は、子ども達からときどき聞くことのある「○○先生の説明が分かりにくい」という話は本当なのかということについて書きたいと思います。


ここのところ、続けざまにこんなことがありました。


◆ケース①:塾をお探しのお母様から、「うちの子が、学校の先生の説明が分からないと言っている。個別指導塾でなら解決できるでしょうか。」という主旨のご相談を頂きました。


◆ケース②:集団授業の他塾に通塾中の中学生のお母様から、「この科目とこの科目担当の塾の先生の説明はとても分かりやすいそうなんですが、この科目の先生の説明が分かりにくいそうで、別に1科目だけ通える塾を探しているのですが可能でしょうか。」というご相談を頂きました。
(※個人や塾の特定を防ぐ目的で、科目は伏せさせて頂きます。)


◆ケース③:当塾通塾中のお母様から、「若い先生の説明は分からないとうちの子が言っているから、教室長に授業を担当して欲しい。」というご要望を頂きました。


◆ケース④:成績不振でお悩みの保護者様から、「学校の先生の説明も塾の先生の説明も分かりにくいせいで、テストで点数を取れないとうちの子が言っている。もう塾に通わせるのは無駄なのでしょうか。」という主旨のご相談を頂きました。

いずれのケースにおいても、保護者様方のご心配はよく分かります。

実際のところ、これらのようなケースの対応をどうすべきなのか、私自身もその時々で思案するのですが、これまでの私の経験を通して可能性と見解を述べさせて頂くとすると、次のようになります。


◇原因の可能性と考察

・子どもの言う通り、本当に先生の説明が下手で、指導者たり得る力量が無い。

→結論から申し上げると、これが真実である可能性は、30件に1件程度です。
学校の先生の場合、(もしもこれが本当なら教員採用試験に合格して正教員になれる可能性は極めて低いと思いますが、)数多くの保護者から同様の意見が学校や教育委員会に集まり問題となるはずですので、そうならないのであれば多数派の意見ではないと考えるべきです。子どもの言う、「みんな言ってる。」を鵜呑みにしてはいけません。少なくとも過半数の生徒が同じ見解でない限りは「みんな」が言っていることにはなりません。

塾の先生の場合であれば、説明がヘタな先生は間もなくいなくなると思います。
塾講師のお仕事は、社員であろうとアルバイトであろうと、一定の支持層がいないと成立しませんので、しばらく様子を見てから判断されても良いかと思います。
また、先生の経験値や年齢による説明の分かりやすさの差異は、実はあまりありません。
先生個人の努力の問題であり、若くても授業が上手な先生はたくさんいますし、ベテランでもやる気が無くて過去の惰性だけで授業をしている先生もたくさんいるからです。
したがって、若い先生すべての評価を低く見るのは正しくありません。
(自分の話で恐縮ですが、私自身も集団授業の大手進学塾で学生講師をしていましたが、正社員も含めた全国優秀講師ランキングで何度も全国1位で表彰を受けました。初めての1位受賞は、講師歴1年4カ月でした。これは生徒による講師評価シートに基づくランキングなので、本当に全国で1番説明が上手いかどうかではなく、生徒に1番分かりやすい先生だと思わせられたというのが正確な評価だと思います。ここで言いたいのは、子ども達が言う、「分かりやすい」とか「分かりにくい」という評価には、感情的な好き嫌いの要素が多分にあるということであり、年齢や経験値はあまり関係がないということです。)


・親御さんに成績不振を責められた結果、苦し紛れの言い訳として先生のせいにしてしまった。

→経験上、一番可能性が高いのはこれです。
返却されたテストの点数を見たお母様が、ヒートアップしてしまい、子どもにどういうことかと迫った結果、心理的自己防衛本能が子どもに働いてしまい、先生の説明が全然分からないせいだと言ってしまった。そして、それを真に受けた(あるいはそれを信じたい)親御さんが、学校や塾に子どもから聞いたままの勢いで苦情を言いに来られるというケースです。
多くの学校の先生も塾の先生も、この手の対応には慣れていますので、クールダウンを最優先に話を進めます。お母様のストレスの捌け口が無いこと、自分の子どもは微塵も悪くないと信じたいことからこのような行動に出られてしまうので、学校の先生も塾の先生もまずは話を聞いて落ち着いてもらうことを優先せざるを得ません。このままでは誰も幸せになれませんから、問題の本質的な改善を落ち着かれてから一緒に模索することになります。


・実は、子どもが分かりやすいと言っている先生は簡単な問題しか扱っておらず、分かりにくいと言われている先生は応用問題も取り入れている。

→これもよくあるケースです。先生の説明の問題ではなく、取り扱っている問題のレベルが違うというのが真実である場合です。
このケースについては、子どものノートを見て頂ければ一目瞭然です。分かりやすいと言われている先生が簡単な問題しか解かせていないだけではないかをチェックします。
簡単な問題だけでは高得点は取れませんが、底上げには一定の効果があり、子ども達も自信を持って勉強に臨めます。勉強を始めた初期段階では有効な手法ですので、この辺りの事情は、学校にせよ塾にせよ、冷静に担当の先生の考えを聞いてみることをお勧めします。


・宿題をマジメにやっていないだけ。

→これもかなり多いケースです。
学校のテスト課題(ワーク)や塾の宿題用のノートをチェックしてみて下さい。
全問正解しているかのように丸が付いていないでしょうか?
宿題の答えを丸写しし、全問正解しているかのように偽装しているようでは、次の授業の説明が分からないのは当然です。先生のせいにしてはいけませんね。


・発達障害(学習障害もしくは自閉症スペクトラム)の可能性がある。

→これは最も申し上げにくいことですが、個別指導塾における割合としては、経験上1~2割の子ども達に当てはまる可能性があります。
その中でも特に、「先生の説明が分からない。」という話になり得るのが、学習障害(LD)における「聴覚情報の処理が上手くできない」という症状や、アスペルガー症候群(ASP)における「空気が読めない。他人の感情が分からない。」という症状です。
これは本当に親御さんも先生も本人も、誰も悪くありません。
私の場合、確信を持てるケースであれば、保護者の方にこの可能性についてご説明し、検査を受けられるか、グレーのままにしておくかのご判断をお願いします。これらの症状があっても、手段を工夫すれば学力向上を望めることも多いので、ご家庭との連携を密に取りながら、子どもを傷付けないように対応していく必要があります。自己肯定感を持てなくなると幸せになれませんから、非常にデリケートな問題であり、学校でも余程のことがない限りは親御さんに話さないまま無難に卒業を待つということも多いようです。


長くなりましたが、私の経験と考えをまとめるとこのようになります。


・本当に「先生の説明が分かりにくい」というのが正しい可能性は30件に1件ぐらい。
・子どもを攻め過ぎた結果として責任転嫁につながっているケースが最も多い。
・上記と併発している可能性が高いのが、宿題をマジメにやっていないせいで次の授業が分からなくなっているということ。
・「分かりやすい」と言われている先生は、簡単な問題しか解かせていないだけかもしれない。
・デリケートな問題ではあるものの、個別指導塾の場合、1~2割程度は発達障害が原因である可能性がある。

冷静に分析するのは難しいこともあるかと思いますが、私が子ども達に教えたいことは、物事が上手くいかない原因を環境や他人のせいにしない思考習慣です。真実がどうであれ、必ず自身の努力によって解決する道はあるはずです。周囲の大人の努力(ある意味では労力の搾取)によって得られた成績なんて将来何の役にも立ちませんからね。まずは精いっぱい努力したと胸を張れるところまで取り組んでみましょう。


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